051122見えないものが見えてくる 昨日の部長の話、70歳を過ぎた職人さんには配慮をしながら仕事をやってもらっているという。向上心をもって一筋に高い技術を身に付けてこられた職人さんも、年齢とともに体力・視力のおとろえは隠せません。
で…、

 視力のおとろえた職人さんには、見づらい細かいモノを避けなるべく見やすいモノを発注してるんですって。

 しかも、そんな配慮をしてるなんてことは一切ご本人には言いません…。私も永年部長のすぐ傍で一緒に仕事をしていながらまったく気づきませんでした。

 品質にたいへん厳しい要求を突きつける部長に対し、向上心をもってそれにお応えいただき成長されてこられた職人さんには心から敬意と感謝の気持ちを表したいと思います。
 しかし、今はそれだけで、これまでの恩返しとか安易に持ち上げるとかという余裕はありません。

 それぞれの職人さんの特長を理解し、優れた技術を適材適所に発揮していただけることでいい商品ができる。結果お客様にご満足いただくことができれば…。

 永年接してきた職人さんにも「店はお客様のためにあるという」わが社の精神が染み付いているのでしょう。暗黙でもそのことが理解しあえているのでしょう。

 視力が衰え細かなものが見えなくなる。でも、こんどは今まで見えないものが見えてくる。

小堀 進