総務部経理係 山口


かつて友達に
「経理は毎日同じことの繰り返しでしょ?私だったら飽きるからできない。」
と言われたことがあります。
でも私はそんなふうに感じたことがありません。

経理係の私の仕事の中に『支払』という重要な業務があります。
5日・10日・20日・月末 の支払日に
取引先への支払をし、パソコン入力します。
その月によって曜日がズレることがありますが、
基本的にはいつも同じペースで『支払日』は、やってきます。

いつも同じペースで同じ仕事をしている、という点では
同じことの繰り返しであるといえるかもしれません。
しかし、いつも前回と同じ金額、同じ数字ということは絶対にありえなくて、
毎回違う数字が発生します。
支払日のたびにいつも違う数字を何度も計算し、検算しますから、
同じことの繰り返しという感覚はあまりありません。

私は経理係に配属されるまで、経理のことは何も知りませんでした。
部長に教えていただいた毎日の仕事を、
ただひたすらにこなすことに追われる日々でした。
そのうちに『正確さ』と『スピード』のどちらをとるべきか、
悩むようになりました。
経理にとって正確さが重要なことはわかっているつもりでしたが、
支払(特に振込)にはいつも期限がありますからスピードも重要です。

ある時、あまり時間がなかったため,
十分な点検や検算をしないままに急いで振込をしました。
しかし、あとで振込金額が間違えていたことがわかりました。
この自分のミスによって、社内外のいろいろな方に迷惑をかけてしまいました。

私はこの時に経理にとって「正確さとスピードのどちらかをとる」
ということはできないことを知りました。
どちらかをとるのではなく、「どちらもとらなくてはならない」のです。
支払日は取引先との絶対に守らなければならない約束(期限)ですから、
絶対に遅れてはならないし、
かといって1円であっても金額を間違えてはならないのです。

間違えた時の原因をその時にきっちりと明らかにしておくことも重要です。
経理では1円でも合わなければ間違いで、
それは1万円でも100万円でも同じことです。
間違いが発生した時に、
「100円だけ合わないけど、そのままにしておこう。
今は合わなくてもそのうちに合うだろうから」
では、いつまでたっても合うことはありません。
真剣に何回も検算し、間違いをみつける努力が必要です。
そしてその原因を明らかにして、
そのあとは同じ間違いを二度としないようにしなければなりません。

計算した後で違う答えが出たとします。
その時に「2回検算して合ってたからこれにしておこう」ではダメなのです。
1回検算した答えが正解かもしれません。
時間がかかっても同じ答えだけになるまで検算を続けます。
正解はひとつだからです。

経理は数字と真剣に向き合っていれば、必ず正しい答えにたどりつけます。
ぴったりと数字が合うととても気持ちがいいものです。
私はこれからも『正確さ』と『スピード』を追求して、
毎日の仕事に取り組んでいきたいと思います。