いつもどおりに朝を迎え出勤すべく携帯電話を
取ろうとすればいつもの定位置にはない。
「車か会社に置き忘れたか?」と思いそのまま出勤。

車にも会社にも携帯は無く、昨日の行動を思い返すが
こころ当りはない。不便を感じつつも一日を終え、
(二年前のペキペキッ!!事件)を思い出す。

買い替えの覚悟を決めて自宅のベランダを見れば
昨日着ていた制服が風に吹かれている。

「まさか!」と思いつつポケットを探れば
洗濯15分すすぎ3回脱水2回の全自動フルコースを
満喫したそれはあった。

二日間の自然乾燥で機能のほとんどは回復するも
「配線基盤が腐食するから一日も早く買い換えなさい」との
ショップの提案(脅迫?)に屈し緊急出費。

緊急出費の傷みに耐えていれば今度は
愛用の腕時計の金属のベルトがある朝突然切れている。
思い出の品でもあるので早速修理に出せば
「内部も痛んでいますから○万○千円かかります。」とのこと。

新品を買うほうがよいのではないかと思いつつも
「修理が出来て良かった」「思い出を買い戻すことが出来て良かった」と
前向きに捉えることにして三日後に修理を依頼。

ビンテージとしての価値があるものではありませんが、
使いつづけられる道具として大切にしてゆきたいと思います。

買い換えるしかなかった携帯電話のことを思うと
長期間残していける「もの」は本当に少ないと
感じます。

その点では「お仏具」はそのような条件を満たして
時代を超えて行くものだと感じます。
「うらやましいですね」
                〈大部〉