昨日は、株式会社キッズコーポレーションの皆さんの工房見学でした。

 昨年、東京の高校で講演をさせていただいたご縁です。
 その後社長様は当社でお仏壇をお求めいただきました。

 私たちにとって、教育事業との関係性は重要です。



 今私たちは、ものを深く見る前に表示ラベルに頼ってしまいます。

 冷蔵庫の古い食品‥

 私が子どもの頃は、臭いで、触って、なめて、よく見て、「大丈夫、食べられる!」と判断したものでした。

 たまにお腹をこわすこともあるのですが、むしろその方が判断力は身につきます。

 食品は人体に影響を与えますから「賞味期限ラベル」に頼る方が安全でしょう。

 しかし、私たちの工芸品的なものまでもが、「ラベル」に頼りすぎると、人間の五感が退化してしまいます。



 日本人が、日本の伝統工芸に美を感じなくなってしまったなら、私たちの存在意義は無くなってしまいます。

 日本人の文化伝承はおしまいです。

 日本列島で四季の自然を美しく感じてきた日本人‥

 その感性が衣食住にも表現されます。

 仏壇仏具にも、草花や水鳥、雲海など四季の生物美が微細にわたり取り入れられています。

 ヒト以外の自然美にいのちを感じる心が、日本人に謙譲の美徳を培ってきたのではないでしょうか。



 わが社の工房では、子どもたちに金箔体験をお勧めしています。

 ものを見極める目を養うその前段として、ものを見ようとするきっかけづくりです。

 実はこれが思った以上にかんたん。

 子どもたちが、わずか30分の金箔体験をした後は、

 お仏壇の中に頭を突っ込んで金箔を見てくれるようになるのです。

 表示ラベルさがしではなく、しっかりと金箔製品を見てくれるのです。

 もう職人さんが見る姿と同じです。



 日本中の子どもたちに、そんな体験をしてもらえればと願います。

 教育事業を全国展開されるキッズコーポレーションの皆さんとのご縁が、その可能性を広げます。

 ご来場に感謝申し上げます。

 専務取締役 小堀 進