私の好きなことのひとつに旅があります。
いつもひとりで計画し、ふらりと出かけています。
最近の旅の写真のなかから、「お線香のある風景」をご紹介します。

100628香港

香港島最古の廟で文武の神を祭っている「文武廟(マンモウミウ)」。
1840年代に建てられた廟の中にはいくつもの大きな釣鐘状の線香が
吊るされています。廟内はもうもうと煙がたちこめ、独特なスパイシー
な線香の香りが漂っていました。直径1メートルはあろうかと思われる
この線香は、約2週間燃え続けるそうです。



100628インド

南インドのケーララ州イリンジャラクダ市にある伝統芸能研究所
「ナタラカイラリ」が主催している南インド古典芸能ワークショップにて。
開演前の舞台にはシバ神の置物とその周りを生花で飾られた真鍮の
お皿が置かれています。線香は装飾的に用いられています。
(お菓子のポッキーのような黒い棒状のものが線香)
実際に線香に火をつけることはなく、この置物のとなりにある
灯明台に油と灯芯で火をともして儀式を行ってから演技が始まります



100628台湾

台湾市郊外の坪林(ペイリン)にある茶業博物館の茶畑の頂にあった
祠の前にある香炉。直径3センチ、長さ70センチくらいの、まるで
がまの穂のような線香。これはお参りされたあとに香炉に入れ
られたもので、煙すくなめ香りも控えめでした。
(お参りするときは火のついた線香を両手で持ち、数度ひたいに
いただいてお願いごとをします)

わずかな例ではありますが、海外と比べてみると、日本の線香の細さ、
短さ、折れにくさ、香りの漂い方に繊細さを感じます。

練馬店 二川