何年か前いきなり
 母「家庭菜園をやる!」
 俺「は?」
 いや確かに、趣味のガーデニングで自宅のなんぞ春先にはどえらいことになっとりますが。
 俺「いやしかし畑はムリだろう。」
 母「そうじゃなくて。」
 聞けば、ご近所の地主様が、休耕田を持っており、休ますくらいならと小分けにした一区画ごと有料で貸し出しているとか。かくして当家は20m×4mのレンタル畑をすることにあいなったのですよ。
 以来わが家の食卓に、肉や魚の上がらぬ日はあれど、野菜の上がらぬ日はなく。大根、トマト、キュウリにナス。オクラに、大葉に、モロヘイヤ。じゃがいも、白菜、人参、トウモロコシ。さすがにスイカは全滅した模様。四季折々の食材が、当家の家計と胃袋を助太刀しまくっていた訳ですよ。
 そんなこんなで。
 今年の春先、我が甥っ子が一言。
 甥「芋掘りがしたい。」
 父「よし!まかせろ。」
 親父、孫には甘いな。て言うか、後で苦労するのは俺じゃぁねえのか。
 かくして我がレンタル畑の一角に、畳三畳ほどのサツマイモ畑が誕生することにあいなりましてございます。
 そして9月某日。
 俺「本日、これより大いも掘り大会を拳行するものなり。」
 甥「おー。」
 姪「おー。」
 で、掘り進めるのですが。
 姪「きゃーカエル。」
 姪「きゃーミミズ。」
 姪「きゃー変な虫の幼虫。」
 俺「いいから掘れ!終んねーだろ!!」
 それにしても、暑い。とにかく暑い。
 夏様「9月になっても本気出すから。」
 と言っていただけあって、ひたすら暑い。しかも、出るわ出るわ、掘っても掘ってもイモが出る。たいした収穫にはなるまいと、高をくくっていたが、あにはからんや、とにかくとれるとれる。その総量約50kg。甥っ子一家やご近所様に、おすそ分けしてもまだ残る。
 今年の秋はサツマイモ料理に事欠かない秋になりそうです。
 最後に企画発案者たる、甥っ子に一言感想を。
 甥「暑かった。」
 ・・・・もうちょっと気の利いたこと言えよ、じーさん泣くぞ。
   
      京都工場(工房)     鈴木