目、目である。人間の目は横に並んでついている。それ故に文章を
読む場合、縦書きよりも横のそれの方が目の動きに関しても都合が良い
そうであるらしい。国語より、理科というところであろうか。しかし、理屈は
ともかくとして、普段自分が目にする新聞、本その他諸々ほぼ縦書きで
ある。それを意識してという訳ではないのだが、先日横書きの本を読んだ。                       そう「横書き」なのである。「横文字=外国語」ではない。念の為。理由は
簡単、よくある話だが「テレビで観た番組に影響された」という
単純な話である。読んでいて縦書きに比べ、スムーズにページは先へ
先へといく。しかし、肝心なことが欠落していた。理解できない、その一言
に尽きたのであった。本の帯には「はじめてのわかりやすい入門書」と
記されていた。前書きには「以前の本が難しいと指摘があったので、
その辺を考慮した。」と述べられていた。さらに、著者の孫の中学生に
確認の為に読んでもらい全体の三割程度は解る内容として刊行した
とも書いておられた。しかし、とても難しい。最近の中学生のレベルが
高いのか、それともその中学生個人がそうなのかは不明だが私には
とてもとても・・・。理解するということのみを考えればこの本に限れば
「横書き」も「横文字」も大差ないと思うわけである。その一方で
人類が何世紀にも渡り研究してきた事象を1冊読んだだけで
理解しようと思うのがそもそも無理であろう、
それを自戒した読書であった。

     京都工場 永田