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突端、最果て、陸の孤島、絶景、秘境……旅好きの心をくすぐるキーワードは色々ありますが、さて地元京都の最果てはどこでしょうか。
丹後半島突端の経ヶ岬でしょうか?あるいは近畿は勿論、北陸や東海地方とも接する県境でしょうか?
地形的な事はほっといて個人的な心情で言えばそれは丹後半島中程、京丹後市弥栄町味土野にあるガラシャ夫人隠棲の地となります。

「本能寺の変」の後 細川玉子が2年間幽閉された場所です。
歴史に疎い私にも彼女の悲運は胸に迫る物があり、いつ行っても最果て感が漂います。
バスも通ってない細〜い山道の奥、ここにたどり着くには自走するか最寄りの駅からタクシーを使うしか無い様です。
幸い派手な観光地化はされていない為いつ訪れても他の観光客を見た事は有りません。女城と呼ばれた屋敷はもちろん現存せず、石碑と小さな祠が有るだけで、それ以外は鳥や虫の鳴き声、伸びるに任せる草木へ風が足跡を付けるだけ。スマホも圏外表示。
玉子も「ポチッとな」も出来ず随分暇な2年間と思いきや そうでもなくて彼女は第3子を懐妊して21歳でここに入りここで出産、育児をしながら明智の娘、細川の妻として、さらにこの後洗礼を受けキリシタンとしての立場も加わり自分の身の処し方を熟考する後半生のスタートでした。

「散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ」 ガラシャ辞世の句です。
しみるなぁ。


時間があれば貴方にとっての最果ての地を訪れてみて下さい。

工房 ひろち